市場地位別のマーケティング戦略を考えるためには、まず初めに各社がその市場で占める地位を分類しなければなりません。自社の市場での地位がわかれば、そこからなすべき戦略が具体的になるからです。
市場での地位は4つに分類することができます。リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーに分けることができます。
まず最も簡単なものは市場のリーダーです。リーダーは市場で最大の市場シェアを保有する企業です。
次はチャレンジャーです。チャレンジャーとは市場で2番手の企業、またはリーダーにチャレンジする権利がある(シェア、規模、資源など)企業を指します。これらの企業は3番手、4番手でもチャレンジできる力があればかまいません。チャレンジャーの中にはリーダーに対し攻撃的な性質を持つ企業と共生的な立場を保つ企業の2種類に分類することができます。攻撃的な性質を持つ企業とは、リーダー企業に取って代わろうとして果敢に攻撃を仕掛けるチャレンジャーを指します。共生的な立場を保つ企業とは、利潤を優先してリーダー企業と共存共栄を目指す企業を指します。
フォロワーとは、利幅が薄いような市場セグメントを追求する会社を指します。リーダー企業やチャレンジャー企業にはあまり魅力を感じない市場(地方、低価格帯など)で、利潤を獲得している企業を指します。
最後にニッチャーとは、トップを狙えるような規模ではなくても、その会社に対して忠実な顧客グループを持っていて、独自の生存領域を持っている企業を指します。この様な企業には提供している製品・サービスが非常にユニークであったりするので、これらの製品・サービスを低価格でなく、高価でも買い求める人々がいる。こういった企業をニッチャーと呼びます。
具体例でみるとわかりやすいと思います。乗用車の市場シェアは2005年度でトヨタ 45.2%、日産 19.7%、本田 13.8%、マツダ 5.8%、富士重工 3.2%、その他 12.3%になります。
そうするとリーダーはトヨタになります。シェア率も高いので明らかですね。チャレンジャーは日産と本田にあたりそうですね。数字を見てもトップを目指していそうですしね。マツダと富士重工はフォロワーにあたると思います。必ずしもトップを狙っているわけではなさそうですが、根強い人気もありますし、ニッチャーにしては規模も大きいです。ではニッチャーはというと、光岡のような独特の車を作って売ったりする企業が当てはまりそうです。
少しはわかり易くなったかと思います。一応断っておきますが、この分類は私の独断も含まれていますので、これが正解ではありません。ある程度の幅を持った基準を設けることが大事なことになってきますので、ややフォロワーよりのチャレンジャーであったりします。